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まもなく開催の勉強会

部田神社

伊豆の山と海に包まれて

前日、戸田の諸口神社に参拝したあと、急な山道をくねくねと登り、ようやくグランピング施設に辿り着きました。

もともとグランピング専用の施設ではなく、ホテルの敷地内にドーム型のテントを設けたような造りです。フロントや建物も思ったよりこぢんまりとしていて、まるで個人の別荘を訪れたかのような静けさがありました。

荒れると予想されていた天気も、初日は穏やかに晴れ渡り、山並みの向こうには戸田港が夕日に照らされてキラキラと光っています。そのさらに先には富士山が紫雲に乗るように浮かび、右隣には雲がもう一つの富士山を形づくって影絵のように空へ映していました。一瞬、本物と見間違えるほどの幻想的な光景です。


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フロントで鍵を受け取り坂道を下ると、白いドーム型のテントが山並みと調和するように並んでいました。その高級感に思わず息をのみます。入口の切り株にはルームナンバーが刻まれ、階段を降りると広いウッドデッキの上にドームがしっかりと建てられていました。

中へ入ると、海と富士山を一望できるカウンターがあり、その横にはジャグジーまで備わっています。ドリンクコーナーにはソフトドリンクから生ビール、ワイン、シャンパンまでが揃い、まさに“非日常”を味わえる空間でした。絶景を眺めながらシャンパンを開け、日頃の疲れがゆっくりと溶けていくような感覚に包まれます。

その後、偶然空いていた貸切風呂を予約し、壷湯のような小さな浴槽で順番に身体を洗い、他の仲間はリビングで寛ぎながらお酒やお茶などを楽しみました。


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夕食は別棟のバーベキュールームで。ハンモック越しに見える夕焼けの絶景がゆらゆらと揺れ、贅沢な時間が流れます。夜は花火をしたり映画を観たりと、それぞれが思い思いに過ごしました。お酒のせいもあって、ジャグジーに入る間もなく、皆ぐっすりと眠りにつきました。

夜中、激しい雨音で目を覚ますと、外はホースで水を浴びせられたような豪雨。伊豆の雨も情緒がありますが、さすがにこの日は少し降りすぎでした。

朝になり、相談して早めのチェックアウト後に赤沢の立ち寄り湯で雨脚が弱まるのを待つことにしました。

 

龍神に導かれて、部田神社との出会い

帰り道、私にはどうしても立ち寄りたい神社がありました。

修善寺戸田線の幹線道路から少し入った場所にある小さな神社で、鎮守の森のような目印もなく、本当にナビ頼りでした。ところが、神社に近づくにつれ、あれほど激しかった雨がピタリと止んだのです。

見上げると、雨雲の中に大きな龍神様の姿が。まるで私たちが濡れないように、その体で包み込んでくださっているように感じました。前日に諸口神社で出会った龍神様です。ありがたくも畏れ多く、自然と頭が下がりました。

社殿の前では、地元の方々が雨の中境内を掃除しており、朝から多くの人が協力し合う姿に心を打たれました。地元のある神主さんが「今年は暑くて雑草の整理ができず、新年までに間に合うか心配です」と話していたことを思い出し、この地域の人々の熱心さに感動しました。


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【部田神社(へだじんじゃ)】は静岡県沼津市戸田(へだ)にある神社。当地の氏神であり、式内社である。創建不詳。1000年以上の歴史をもつ。御浜岬の諸口神社が海側から戸田を守護するのに対して、山の手側から守護する氏神であるとされ、江戸時代の終わり頃には「三島明神」とも称された。

祭神は大国主命で古くは聖徳太子を祀った太子信仰の対象であった。(Wikipediaより)


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驚いたのは、その名前でした。私の秘書の苗字が「部田(とりた)」で、非常に珍しいのですが、まさか同じ漢字の神社があるとは思いもしませんでした。しかもご祭神が“大国様”。かつて秘書の肩に顕現された神様です。人と神様とのつながりには、やはり深い意味があるのだと感じました。

本殿の柱の上には諸口神社と同じように狛犬が居て、龍神様の彫刻が鮮やかに施されています。

拝殿のガラス扉の両脇には文化財の絵馬が掲げられ、地域の歴史を物語っていました。


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そこへ、いつものように秘書が朗らかに声を上げました。

「私の苗字も部田(とりた)と書くのですが、こちらはなぜ(へだ)と読むのですか?」

馴れ馴れしく声をかけたことに私も慌てましたが、地元の女性が笑顔で答えてくれました。

「詳しくはわかりませんが、漁船の安全を祈って祀られたのが始まりだと聞いています」

「そうでしたか。他人とは思えず、親近感が湧きます。私は埼玉から来たのですが、また参拝に伺いますね」

秘書はすっかり輪の中に溶け込み、皆に温かく迎えられていました。

その方が案内してくださった先には、日枝神や八幡宮などの境内社が並び、さらにその近くには沼津市指定の天然記念物であるコブ付大クスが二本。力強く立ちその生命力に神々しくも奇妙な感じを受けました。


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今回の参拝は、まるで秘書のルーツをたどる旅のようでした。

清掃に励む人々の姿に、神社を守る心とは何かを教えられた気がします。

明治期の神社統合で多くの社が合祀されましたが、こうして地域の人々の手で守られている神社を見ると、「すべてのものに神が宿る」という日本人の精神がまだ息づいていることを感じ、胸が熱くなりました。

参拝のたびに、私は神主さんや関係者の方にお話を伺うようにしています。社殿の意匠や見どころ、裏にある小さな摂社のことなどを教えていただくと、どの神社にも“その土地ならでは”の物語があることを知ります。

そして、神社と地域、自然との関係をどう守っていくか・・・その答えのヒントが、いつも会話の中に隠れているのです。

西伊豆で出会った人々は、みな思慮深く、物事の本質を見抜く眼差しを持っていました。

だからこそ、龍神様もこの地に寄り添い、人々と共に息づいているのかもしれません。

私たちが神様を感じる“心の目”を養うためのヒントが、確かにここにありました。

 

世界が平和でありますように。


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