鞍馬寺
- 加藤眞由儒
- 6月1日
- 読了時間: 6分
京都取材で昨日は大原三千院に参拝させていただき、今日はいよいよ貴船神社に伺います。霊能のあるお客さまからパワーのある寺院として「鞍馬寺」を勧めていただき、貴船神社から近いことがわかりました。
今回どちらも参拝に伺いたいと思って順番で迷いましたが電車に乗りながら気分で決めることにしました。
叡山電車は「出町柳」駅から私たちが宿泊している「八瀬比叡山口」に向かう叡山本線と「鞍馬」駅まで行く鞍馬線が途中「宝ヶ池」と言う駅で分岐しています。宝ヶ池で鞍馬線に乗り換える訳です。結局ケーブルカーで途中まで登れる鞍馬寺に先に参拝する事にしました。一つ手前が貴船神社のある「貴船口」です。貴船口でたいていの乗客は降りてしまいました。貴船神社が縁結びの神様であるとSNSで話題になっているからでしょうか。
鞍馬の駅は山村の中にあり、よくぞこの場所に電車を通したと言う感じです。駅の前には赤天狗の面が飾られています。すこし歩くとすぐに鞍馬寺の石標があり、本当に鞍馬寺のためにある駅のようでした。

【鞍馬寺(くらまでら)は京都市左京区鞍馬本町にある鞍馬弘教の総本山の寺院。山号は鞍馬山(くらまやま)。本尊は「尊天」。尊天とは毘沙門天王、千住観音菩薩、護法魔王尊の三位一体の本尊であると言う。開山は鑑真の弟、鑑禎(がんてい)。新西国三十三箇所第19番札所。鞍馬は牛若丸(源義経)が修行をした地として著名であり、能の鞍馬天狗でも知られる。なお、鞍馬寺への輸送機関をとしてケーブルカーを運営しており、宗教法人として唯一の鉄道事業者ともなっている】(Wikipediaより)
牛若丸の修行の地と聞き、俄然力が湧いてきました。鞍馬寺は高いところまで500m、石段にして本殿まで155段あるそうです。私たちは途中ケーブルカーを利用しました。
鞍馬寺の石標から長い石段が続いていて、先が思いやられます。石段のはるか先に威風堂々とした山門が行く手を阻むように聳えています。鞍馬寺と書かれた扁額はとても力強い字体です。ここで愛山費と称する入山料を払います。
近くには保育園があるのでしょうか、とても元気な子ども達の声がこだましています。このような自然の中で育つ子は都会に比べてどうなのか興味が湧きます。
ケーブル乗り場も「普明殿」の名前がつき、毘沙門天像が奉安されていたり尊天(千手観音、毘沙門天、魔王尊)が解説されていたり、やはり一味違います。仏教に馴染みのない一般の私たちにもわかるように優しく解説してくれています。待っている人たちのためにパイプ椅子も置かれていて優しい心遣いに感激しました。ケーブルカーのアナウンスも人間は自然の一部であると、仏様の教えを解いていらっしゃるようでした。到着駅の多宝塔から弥勒堂や無料休憩室のある洗心亭などを通り、本殿金堂に辿り着きます。本堂は白壁と朱色の柱が美しい造りです。1945年(昭和20年)に火災で堂舎の大半が消失してしまったそうです。千住観音菩薩、毘沙門天王、護法魔王尊が三位一体となった「尊天」をお祀りし、鞍馬山全体が尊天の御神体であると考えられているそうです。
金堂前にある石床は鞍馬寺でも随一のパワースポットとされる「金剛床」です。果てしなく広がる星曼荼羅を模したと言われていて、中心に立つと宇宙そのものである尊天と一体化しエネルギーを感じ取ることができるそうです。
中心に立ってみましたが、あまりの強いエネルギーで逆に何も感じません。まるで台風の目の無風状態のようです。
数歩離れるとすごい波動が身体を巡りました。
どんなに心地よい音楽も大音量では耳鳴りがして聞こえなくなります。私たちの身体がエネルギーを受け入れるようになるまで少し離れて慣らすのも一案ではないでしょうか。

その後、鞍馬寺の自然生態を解説したり、国宝を展示している「霊宝殿」を見学しようとしたのですが、冬季休館中だったのがすごく残念でした。
その後は奥の院参道を通り護法魔王尊が祀られている魔王殿を通り、貴船神社まで行けるのですが、寒波到来と降雪で石段が凍ってしまいツルツルに滑る最悪の状況です。少し登ろうとしてバランスを崩した時、ああこれはダメだ、大変なことになると直感しました。やむを得ず戻ろうとすると秘書が「それでは私が参拝して写真を撮ってきますよ」と言い放つと、急な坂をまるで猿のように登っていき、私はその姿を見て仰天しました。
秘書は雪国育ちで足元の悪い冬場でもスタスタと歩いて行きます。聞いたところコツは「あらかじめ滑るものと考えて少しずつ滑りながら足場のしっかりした場所を見つけて登っていく」そうです。とは言え、転んで大怪我などしたりしないか私は気が気ではありませんでした。程なくして秘書から、若き日の牛若丸が鞍馬天狗と出会ったとされる不動堂や一番奥にある魔王殿。さらには呑気に自撮りしている画像が送られてきました。

私は安心を通り越して呆れてしまいました。秘書の位置からは西門を通り貴船神社に向かった方が早いのですが、何と今行った道をそのまま戻ってくると言っています。その体力と精神力たるや、この地で修行をしたと言われている義経若き日の牛若丸も秘書の60歳越えの年齢を聞くと驚いたはずです。そして修行に年齢は関係ないのだと改めて感じました。私は秘書を金堂にある待合所で待ちながら鞍馬寺のパワーについて検証してみました。ここは山自体にもの凄いパワーがあります。
本殿金堂前の金剛床のさらに先、比叡山を臨む眺めの良い場所に「翔雲台」があり、護法魔王が降り立った聖域とされしめ縄が張られていました。中央にある板石は金堂の後方より出土したもので、平安時代より鞍馬寺に伝えられた如法写経会(にょほうしゃきょうえ-法華経を一定の方式に従って写経する平安時代から修されてきた由緒ある会)の経巻を埋納した経塚の蓋石だったそうで、そこから発掘された経塚遺物二百点余りが国宝に指定されたそうです。その場所が一番大きくエネルギーを放っています。

やはり山自体のパワーが凄く、それをいち早く見つけ出した先人たちの能力は抜きん出るものがあったと思います。
待つと言った感覚もない間に秘書が戻ってきたので更にびっくりです。
降りる間も山自体の力が鼓動のように脈打っているのを感じました。
帰りには地元の食材を使った旬の料理を頂きました。料理旅館をやっていらっしゃるお店の方はとても人懐っこくて、部屋で私たちだけになっても特に気を配るわけでもなく、そこが昔ながらの日本の風土であり私は大好きです。しかし、最近ではインバウンドでたくさんの外国の方がやってくる昨今の状況を鑑み、とても心配に思います。
日本のこの素朴な安心感と伝統文化は私たちが守っていかなければいけない宝だと思います。
大好きな日本がいつまでも素晴らしい日本のままでありますように。
そして世界がいつまでも平和でありますように。