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台北 松山慈祐宮

更新日:2023年12月3日

この秋約4年ぶりに台北を訪ねました。

私のホームページの構築を担ってもらっているシステム担当の麒麟(きりん)さんに会いに行きました。

元々台湾の土地や食べ物、そして大らかな国民性が大好きでよく訪れていましたが、麒麟さんに会うのは今回が初めてです。台湾の仏閣について色々と聞いてみたいと思っていました。

麒麟さんは元々秘書のジム仲間で、コンピューターの技術者として日本で勤務していましたが、2020年1月に行われた中華民国総統選挙のために帰国しました。中国寄りの対立候補者に対抗すべく台湾を守ろうと言う国民の意識がすごく高いと感じました。台湾では総統を国民の直接選挙で選べるようになってから25年以上経っています。特に若者の投票率は高く20代で約9割と言われています。日本の政治離れに関する報道を見るたびに危機感を感じるのですが、やはり政治参加のシステム自体、見直す議論をする時期にきているのでしょうか。

また来年1月には8回目の中華民国総選挙が行われます。中華民国憲法の「総裁と副総裁の任期は4年、再選は一度」という規定により民事主義のカリスマと謳われた蔡英文さんは出られなくなります。

台湾がどちらの方向に向かっていくのか、国民はもとより世界中が、そして友人である私たちも固唾を飲んで行方を見守っています。

同時に感じたのは秘書の類稀なコミニュケーション能力です。私と同じ時期にスポーツジムの店舗を大宮に変更したのですが、もうすでにたくさんの仲間を作り飲み会やボディビル の大会に参加しています。秘書の人脈がなければ私のホームページもオンラインの勉強会も順調には進むことができず、それを考えると人との繋がりが決して偶然ではなく、全てが絡みあう絶妙な運命の芸術品と言えるのではないでしょうか。麒麟さんとはビデオ会議などでよく話をしていましたが、実際に桃園空港で会った時の印象はとても親しみやすく聡明な感じを受けました。



その後、3人で空港直通のMRTに乗り込みました。2017年に正式開通したMRT(Taipei Rapid Transit System)のおかげで台北市内まで30分程で行けるようになりとてもアクセスが良くなりました。

ホテルも彼がネットで予約してくれました。以前は若者の街西門の近のホテルに宿泊していました。賑やかで夜遅くまでやっているお店が多く便利な反面騒々しく外の物音も気になりました。今回は台北でもおしゃれで落ち着いている中山近くにあるホテルメトロポリタンプレミアホテルです。日系のホテルなので日本語も通じ、日本人には嬉しい大浴場にサウナ、プール、ジムまであります。朝食のバイキングにも日本食が提供されます。日本大手ジムのジェクサーもテナントとして入っています。駅の近くには日本のはま寿司や大戸屋もあり、とても過ごしやすそうです。



秘書はホテル併設のジムではなく台北市民が通う市営のジムに翌日から行っていました。その行動力には感心するどころか呆れてしまいました。聞きましたら体育館前にはランニングスペースがあり多くの人が走っていて、体育館の周りではお年寄りがチームになって体操や太極拳のような動きをしていたそうです。日本よりも公共の施設でのお年寄りの活動が目立ちとても健康意識が高いと感じたそうです。以前は日本のジム に似た施設に行っていたそうですが、ビジター料金が約650元ですから日本円で約3,000円になります。ホテル近くの松山運動中心は1時間50元ですから230円です。しっかり者の秘書らしいですが、60才以上は半額の25元になる割引はさすがに手続き上の会話スキルを考え断念したそうです。台北でジムを体験しようとする方に秘書からのアドバイスです。市営のジムはロッカーがなく棚に荷物を置いているそうです。靴は外履きのまま使えるそうですが、タオルを持っていかないと入館できないそうです。以前秘書がホテルのタオルを持ち出して台北市内の温泉に行った際にルームクリーニングのチェックでタオル不足として追加料金を取られた事があるので注意してくださいとの事です。

チェックインした後、松山駅にある松山滋祐宮(そんしゃんつーようこう)と言う道教の廟(びょう-霊を祀る建物)に参拝しました。台湾では中華民国憲法により宗教の自由が認められ、各宗教は平等であると規定されてます。また政府と宗教の間にはなんの利害関係も存在していません。

2003年米国国務省が発表した「世界の宗教の自由に関する報告書」の中では台湾の二大宗教として仏教徒が548万人、道教徒が454万人と推計しています(重複あり)

仏教は言わずと知れたインド発祥の宗教です。台湾では18世紀以降、観音を主神とする廟が建立されました。対する道教は漢民族の伝統宗教で、西晋(せいしん-265-316年)末から明(みん-1368-1644年)にかけて中国大陸全土に広まり、南方の正一教(天師教)と北方の全真教の二大流派が形成されたそうです。台湾の道教は南方系の正一教であり、護符や呪文の宗教儀式を重視した内容となっているそうです(Wikipediaより)

MRTの松山駅を降りると目の前に巨大な寺院の建物が飛び込んできました。既に辺りは暗くなっていましたが煌々と灯りが灯りとても華やかな様相を呈していました。



ここ松山慈祐宮は媽祖(まそ)を主神とした廟で、6階建の建物は台北市の媽祖廟としては最大となります。媽祖とは海と漁業の神様で、元々は中国福建省で生まれ、幼い頃から人々の病気を治すなどの奇跡を起こし崇められてきました。しかし父親が海難事故に遭い行方不明になると、嘆き悲しんだ末に旅立ち、やがて峨眉山の山頂で仙人に導かれて神様となったとされているそうです。台湾の祖先は福建省南部から移住した開拓民が多く、移民たちは航海中の安全を祈り媽祖を祀ったそうです。そして無事に台湾に到着した事に感謝し、台湾内にたくさんの媽祖の廟祀(びょうし-御霊や神社などにまつること)を建てたそうです。また仏教や道教の融合により松山慈裕宮では叶えられない願いはないとまで言われています。

入って感じたことは日本の神社仏閣と違いとても庶民的で生活に根ざしている様子でした。日本のように格式を重んじすぎる事もなく、また23時まで空いており誰でもいつでも気軽に参拝できるようになっています。そしてとても明るく賑やかで心から楽しい雰囲気に浸ることができます。あちらこちらでお坊さんのお経がまるで歌のように流れていて訪れている人も一緒に唱えていました。膝に当てるクッションのようなものが並んでいて、靴を脱がなくても正座をしなくても頭を下げる姿勢がとれます。

特に足の悪い方でも無理なく参拝ができるので素晴らしいシステムだと思いました。後の方でカタンカタンと音がしたので振り向くと赤い木片を投げている人がいました。麒麟さんに聞いてみると擲筊(プアプエィ)と言って道教の神様におみくじを引いていいか意向を伺う道具だそうです。三日月の形をした赤い2つの木片で、色々な観光地で石像のオブジェとして置かれているのを見ました。それだけ台湾の人たちに親しまれているようです。日本のおみくじと言うと代表的なものは細長いみくじ棒の入った角柱や円柱の箱を振り小さな穴から出た棒に書かれている数字と同じ用紙を受け取ります。簡易的に直接箱から用紙を取るタイプや最近ではおみくじの自動販売機なるものまで出てきました。台湾のおみくじは受け取るまでにかなり運を要するものだと思いました。おみくじに書かれている内容も日本では運勢全般から学行、縁談、事業とすべてに答えがありますが、台湾のおみくじにはとても印象的な言葉が書かれています。他のお寺でもらったおみくじに書かれていたのは「自分の長所を知れば伸びる、短所を知れば完璧、他人の気持ちを考えれば尊敬になる」と言うものでした。

考えてみると日本のおみくじは一発勝負です。

台湾は何度も神様や自分と確認しながら進めていくようでそれぞれに良さがあるのではないでしょうか。厳格に時間や規律を守っている日本の神社仏閣も自由な雰囲気の台湾もやはりどちらも国民性が表れていて素敵だと思います。

台湾のおみくじは無料で、麒麟さんによると寄付がたくさんあるのでお守りやおみくじは無料との事でした。


参拝し神様にご挨拶させていただきました。遠く日本から来たと言うことでとても優しく迎えていただきました。6階にいらした神様からお声をかけていただきました。「台湾には見どころもたくさんあり、美味しい食べ物もたくさんあります。どうぞ楽しんでください。台湾と日本の関係はとても良好です。この関係が世界に広がることを願っています」

後で麒麟さんに六階にいらした神様の事を聞いてみました。玉皇上帝(ぎょくこうじょうてい)という事でした。「玉皇上帝(ぎょくこうじょうてい)、あるいは玉皇(ぎょくこう)、玉帝(ぎょくてい)は中国道教における事実上の最高神で天界または宇宙の支配者であり、その下の地上•地底に住むあらゆるものの支配者でもある。現在も庶民から篤く崇拝されており、民間信仰や東南アジアなどの華僑の間では最高神として扱われる」(Wikipediaより)

非常に厳格な感じの中にも果てしない慈悲の心を感じました。

あと感じたのは参拝する台湾の人たちがきちんと神様について知っている事です。祀られている神様の生い立ちや歩んできた歴史を知った上で尊敬の気持ちを持って参拝しています。これは子供の頃からきちんと寺院や神様について教育がなされているからだと思います。日本は先の大戦の経験によってそう言った核心の部分が有耶無耶になってしまい何となく触れてはいけない感じです。明治時代に行われた神仏分離政策もあり私たちは「大人の事情」で済ませてきましたが、やはり日本の宗教の中にある闇の部分を感じております。戦争はともかく国を作ってきた偉人たちにはもっと敬意を払い堂々と開示し参拝できる流れができるといいなと私は思います。


参拝後には近くの饒河街観光夜市(じょうががい かんこうよいち)でおすすめの屋台料理を食べました。士林の夜市より規模は小さいですがファッション関係の屋台が多く並んでいます。ここの名物は骨付き豚肉を使った薬膳スープと臭豆腐です。臭豆腐はまだ慣れないので替わりに台湾のソウルフードと呼ばれる豚バラ肉を甘辛いタレで絡めた魯肉飯(ルーローハン)をいただきました。香辛料で身体が温まったところでもう一つの名物、大行列になってる老舗の胡椒餅をテイクアウトして、台湾のレインボーブリッジと言われている「彩虹橋」を渡り川の辺りのベンチで食べました。パリパリの皮に胡椒のパンチが効いた肉がたっぷり入って熱々でした。ライトアップされた川沿いでは遅くまでサイクリングやランニングをしている市民やデートや散歩をするカップルやグループがとても楽しそうにしているのが印象的でした。



地下鉄や街並みの中でも感じたのですが、台湾の方はパワーに満ち溢れていながらもとても礼義正しく素朴で人懐こい感じがしました。麒麟さんのこれからの夢を聞きました。久しぶりに人が夢を口にしているのを聞きましたが、とてもキラキラとしたエネルギーを感じました。夢を持てる国、日本もかつてそういった「明日への希望」で戦後の混乱を乗り越えて来ました。そんな時代がまた訪れることを切に願っています。とても美味しい胡椒餅を食べながら4年ぶりに海外に来た緊張感と台湾の自由で活気に満ちた空気の中で先ほどの神様のお言葉を思い出していました。こののどかで平和な雰囲気がいつまでも続きますように。日本と台湾の良好な関係が世界中に広まって世界の平和が実現しますように。


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